ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)とは
手首を手のひら側に曲げる筋肉(尺側手根屈筋)や、指を握る筋肉(指屈筋)の付着部である肘の内側にある骨の突起(上腕骨内側上顆)に痛みを起こす病気です。単なる腱の炎症だけでなく、肘関節が変形する変形性肘関節症を合併したり、尺骨神経を圧迫されて小指側にしびれが出る肘部管症候群を合併したりすることがあるため、慎重な経過観察が必要です。
症状
- 肘の屈曲で痛みがある
- 重量物を回外位(手のひらを上にした状態)で持つと痛い
- 手をぎゅっと握ると痛い
診断
診察で可動域や誘発テストなどを行い、レントゲン、超音波、MRI検査などを必要に応じて追加します。
他の病気との鑑別が重要
尺骨神経を圧迫する肘部管症候群、肘内側側副靱帯損傷などの合併を引き起こすことがあります。また、変形性肘関節症の程度でも症状や経過に差があると考えられます。
治療
まずは、痛みを取り除く治療を優先して行います。
除痛をはかったうえで、前腕のストレッチング、筋力トレーニングを行うことで緩和させます。
除痛治療
除痛のためには、以下の治療が必要となります。
- 非ステロイド系内服薬、外用薬
- ステロイド注射(ケナコルト®)
副作用:腱損傷、骨破壊 年3回までが通説
※テニス肘で使用するファシリエイドサポーターは、ゴルフ肘の場合には効果がほぼなく、靱帯損傷に対する装具が必要になることがあります。
ストレッチ
ゴルフ肘には、前腕屈筋群(手首を手の平側に曲げる筋肉)のストレッチが効果的です。
痛む方の腕を伸ばして、手の平を上向きにします。反対の手で指先を持ち、手首を反対側に反らせます。30秒ほどキープし、前腕の内側の筋肉を心地よく伸ばしましょう。
テニス肘のストレッチとは、手の平の向きが逆になります。
筋力トレーニング
前腕の筋肉を鍛えるトレーニングを行うことで、肘関節の安定性を高めリハビリと再発予防につながります。
軽いダンベルか水の入ったペットボトルを用意してください。手の平を上に向け、ダンベルやペットボトルを握って手首をゆっくり手の平側に曲げる(屈曲運動)と、手の平を下に向け、ダンベルやペットボトルを握って手首をゆっくり手の平側に曲げる(伸展運動)が効果的です。これを何回か繰り返します。痛みが出ない無理のない範囲で行いましょう。
体外衝撃波治療
これらの治療にて除痛が十分に得られない場合、体外衝撃波治療の適応となることがあります。
MRI、超音波エコーなどで評価し、上記治療およびリハビリ加療では除痛が得られないと院長が判断した場合に行います。
自費診療となります。